“薬の神様”の井戸が復活 松本・信州薬祖神社で掘り直し完了
2025/10/21
後で読む
信州薬祖神社(松本市中央4)の境内にある「薬祖水」の井戸が復活し、19日に開かれた同神社例大祭でお披露目された。近年になって一度枯れてしまったが掘り直し、豊かに自噴する“薬の神様”の井戸がよみがえった。神社と井戸を守る奉賛会員ら県内の薬業関係者や施工業者ら約30人が集まり、恵みの水を喜び合った。

日の出町の松本薬業会館横に「日の出の泉薬祖水」の案内板が掲げられた。掘削を担ったサクセン(松本市双葉)や水受けを整備した山口石材(同市北深志1)によると、新たな薬祖水は地下15メートル付近から毎分250リットルが湧き出る自噴の井戸という。地上部分はインド産石材バングレーを用いて縁起のいい球体型の井戸に整備。吸水率が低くて硬く、耐用年数が長いため、長年にわたる利用に適している。
平成の名水百選「まつもと城下町湧水群」の一つにも数えられる薬祖水は、かねて多くの住民に生活用水としても親しまれてきた。再整備には多くの協力金が寄せられ、改修が実現した。
例大祭では神社にまつられた医薬の神に参拝するとともに、薬祖水が末永く恵みをもたらすよう祈願。奉賛会の長﨑昭夫会長は「神社および薬祖水が信州の人々の健康を守り、心のよりどころとなるように」と願っていた。