エルサあづみ野のからくり時計 修復し20年ぶり完全復活
2025/10/21
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安曇野市三郷温のショッピングセンター・エルサあづみ野の本館吹き抜け部分に設置されている大型のからくり時計が、約20年ぶりに「完全復活」した。時報に合わせて鳴る音楽が流れず、振り子が動かないなど不具合が長年続いていたが、運営会社と、全国のからくり時計を調査する団体との出合いを機に修復が実現。19日にお披露目され、施設のシンボルとしての輝きを取り戻した。
時計は幅2・1メートル、奥行き1・4メートル、高さ8・3メートルの箱形で、上下に付いた振り子に妖精の人形が座る。お披露目時刻の午前11時になると、メルヘンチックな音楽が流れて文字盤が上下に開き、中から5羽の小鳥がくるくると回りながら登場した。復活を待ちわびる大勢の来店客から歓声が上がり、山形村の女性(38)は「子供の頃よく見に来ていたので懐かしい」と語った。
時計は昭和63(1988)年の開業時からあり、核テナントだったジャスコ(現・イオン)が全国の店舗に設置したものの一つ。長年不調が続いたが簡単には直せず、施設の運営会社「安曇野ビルディング」の松澤信二社長(53)は「復活してほしいとの要望もあったが、諦めていた」。しかし昨秋、からくり時計研究団体「はまなす団」から連絡があり、話が進んだ。修復技術を持つデザイナーの紹介を受けて依頼し、今月上旬に修復を終えた。
同社は愛称を募集している。松澤社長は「子供が親を誘って『見に行こうよ』と思えるからくり時計は人が集うきっかけになる。今後も世代を超えて親しまれるようにしたい」と話していた。
はまなす団によると、全国のジャスコ店にあったからくり時計は徐々に姿を消し、同様の箱形はわずかしかないという。
