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2025年

昆虫食の魅力紹介 安曇野で講座 農学博士の田下さん

2025/10/19
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 安曇野市堀金烏川の県烏川渓谷緑地・環境管理事務所で18日、信州の昆虫食を学ぶ講座が開かれた。『信州人虫を食べる』などの著書がある農学博士の田下昌志さん=長野市=が「四大珍味」と言われるハチノコ、イナゴ、ザザムシ、蚕のサナギを中心に食文化や料理の仕方、楽しみ方などを紹介した。
 ヘビトンボやトビケラの幼虫などを指すザザムシは伊那谷を中心に親しまれ、世界的にも他にはない食文化だという。料理法はつくだ煮が一般的で、数回煮こぼして水で洗うのがこつだとし、「強烈な匂いがするので部屋の中でゆでない方がいい」と助言した。
 四大珍味以外ではカミキリムシの幼虫が特に美味で「エビとイカを合わせたような感じ」と絶賛した。ゾウムシやセミの幼虫、イラガのサナギもおいしいほか、東南アジアやメキシコで食用にされているカメムシも「実はおいしい」と紹介した。一方で、クワガタムシの幼虫はかび臭くてまずいという。
 市内外の11人が聴講した。田下さんは地球温暖化対策や世界的な文化価値、地域コミュニティーなどの観点から「みんなで楽しく虫を食べたらどうか」と昆虫食を勧めた。

昆虫食の魅力を紹介する田下さん