木曽町の福島宿で展覧会 アートと町の歴史感じて 地元と岐阜の団体が企画
2025/10/19
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木曽川沿いにある旧中山道の二つの宿場を、アートを通してつなぐ展覧会「きそがわ往来」が26日まで、木曽町福島の中心街にある旧中村屋精肉店で開かれている。福島宿(木曽町)と太田宿(岐阜県美濃加茂市)周辺でアートに携わる2団体が連携し、相互に作品を展示して文化交流を促す。
木曽地域を拠点とする「木曽ペインティングス」と、美濃加茂市のNPO法人「きそがわ日和」が企画した。
参加するのは、版画作家で松本市出身の伊藤沙織さん(35)=東京都、画家の小川格さん(56)=茅野市、メディアアーティストの大久保拓弥さん(31)=名古屋市。きそがわ日和と縁がある3人で、木曽町に滞在して制作した。
伊藤さんは葉脈を刷った紙で服を仕立てた作品が中心だ。主に木曽で採った葉を使った。小川さんは抽象的な油絵を並べる。色彩を大事にしているといい、会場のガラス窓にも描く。大久保さんは精肉店の冷蔵庫だったスペースを活用。専用の機械で観覧者が心音を記録すると、連動した点滅が起きる。生と死の対比などを表現する。
両団体は共通で縁があった作家をきっかけに交流を始めた。空き家だった会場を春から整備してきた。
木曽ペインティングスの岩熊力也さん(56)=木曽町日義=は「町の歴史と『今』の作家の展示と両方を楽しんでもらえれば」と話す。きそがわ日和の小川友美さんは「木曽川を通じた縁を大事に、両地域の魅力を多くの方に知ってもらいたい」と願う。
開場は正午~午後5時。観覧無料。21、22日は休み。19、26日は午後2時から大久保さんが作品解説をする。25日午後1時から、近くの施設・ふらっと木曽で小川さんがワークショップ(参加費500円)を開く。
来年3月には太田宿で展示を行う。

元精肉店を活用した会場と小川さん(右)、大久保さん