獣害防止へ週3回巡回 塩尻市が独自に人員配置 熊への対応迅速に
2025/10/18
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塩尻市は本年度、熊の目撃情報があった時に現場で対応したり、イノシシやニホンザルなど有害鳥獣の出没地点を1日おきに巡回したりする「鳥獣パトロール員」を独自に配置している。市の会計年度任用職員として採用された市猟友会員が務めており、人里と山林の境をこまめに監視することで、人と熊の接触や、農産物被害の防止を目指している。
市猟友会の7人が5月に活動を開始し、月、水、金の週3回、交代で熊の目撃や有害鳥獣被害が多い市内各所をパトロールしている。熊の目撃情報が寄せられると、現場を確認して必要があればわなの設置などを行う。
15日は青木俊樹さん(74)と金井暁さん(45)の2人が下小曽部、上小曽部、日出塩、本山などを回り、熊やニホンザル用や、イノシシが掘り返した土手の近くに設置したわなを見回った。けもの道に新しい踏み跡がないか、餌になる農産物の有無も大切な確認事項だ。道中で地元の人に会うと、情報を交換しながら注意も呼び掛けた。
市はこれまで、熊の目撃情報があった場合は、市猟友会に要請して現場確認、対策の必要性の判断などに協力してもらっていた。市内では昨年度、目撃が急増し、対応が追いつかないこともあった。本年度は1日おきにパトロール員が回っていることで迅速に対応できているという。
山に入る人が増える狩猟期間を迎えることから、本年度のパトロール活動は今月末で終了する。ただ、人里ではリンゴやカキが熟す時期を迎えることから、市耕地林務課は「鳥獣被害対策としてまとまった量の果実を残さないようにお願いしたい」と呼び掛けている。