全国短歌フォーラムin塩尻 題詠・最優秀賞は児野さん(塩尻) 自由題は武田さん(北海道)
2025/10/17
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第39回全国短歌フォーラムin塩尻(実行委員会主催)の入賞歌が決まった。全国の愛好者830人から計1610首が寄せられ、最優秀賞は自由題で中学校教諭・武田生吹さん(30)=北海道滝川市、題詠では児野帆純さん(29)=塩尻市広丘高出=が選ばれた。
自由題に804首、題詠の「音」に806首の投稿があった。全国47都道府県と韓国の10~90代で、全体では昨年に比べて投稿者が22人増、歌が40首増となった。投稿者数の増加は令和3年の35回大会以来だ。近年はインターネットのSNS(交流サイト)上で自作の短歌を発表する愛好者が多くいるため、実行委は過去大会の入賞歌をイラストと合成した作品にして短文投稿サイトのXで公開する情報発信にも力を注いでいる。
歌人の佐佐木幸綱さん、永田和宏さん、小島ゆかりさんが選者となり、優秀賞6首など計88首の入賞を決め、1日に発表された。
歌歴2年の武田さんは「蜻蛉が五限の理科に迷い込み学級日誌の一面飾る」と詠んだ。教室に虫が入るささいな出来事でも子供たちが盛り上がるほほ笑ましい様子を表現。武田さんは「驚いたけれど選評で思ったことが伝わっていてうれしい」と話した。
詩が好きで、今回の投稿のために短歌を作ってみたという児野さんは「音だけで君だとわかる靴底を少し引きずる右足が好き」と詠んだ。足音を聞いただけで特別な思いを抱く人が近づいてきたと分かるうれしさを込めた。児野さんは「賞を取れればと思っていたけれど、まさか最優秀とは」と喜んだ。