山形村・スカイランドきよみず、11月で事業廃止 百瀬村長が表明
山形村の百瀬繁寿村長は15日の村議会全員協議会で、7月から廃止・解体に向けて検討を進めてきた清水高原の村有入浴宿泊施設「スカイランドきよみず」について、12月に冬季休業に入るのに合わせて事業を廃止し、施設を解体すると表明した。長期にわたる厳しい経営状況や利用者数の減少、従業員確保の難しさなどを総合的に勘案し「営業継続は困難であるとの決断に至った」と述べた。
百瀬村長は周辺施設の一部を含めて解体し一帯を観光資源として活用する考えを示し、一つの案として跡地へのキャンプ場やコテージの整備を挙げた。スカイランドきよみずと合わせて解体を予定しているのは従業員棟とゴルフ練習場で、テニスコート2面のうち村が所有する1面は廃止してヘリポートを整備する計画。議員からは今後のスケジュールについて質問があり、藤澤洋史総務課長が来年度に解体に向けた実施設計を行い、再来年度以降、工事に入る計画を説明した。解体工事に見込む起債の活用には一帯の整備計画の策定が必要なため、解体に向けた作業と同時進行で取り組むとした。
最近は、松本市安曇の山岳リゾート・上高地の来場者が増えていることなどが影響してスカイランドきよみずの利用客数も持ち直しているものの、上高地が閉山すると客足が落ち込み維持経費がかさむ厳しい状況となっている。一昨年度までの10年間で損益が黒字になったのは計2年度しかない。村民の利用も減っており、村が1人当たり年間5000円を補助する宿泊助成券の昨年度の利用は50人にも満たない。
村はスカイランドきよみず廃止後も高原別荘地定住者や別荘所有者の生活を支える一帯の簡易水道事業、ごみ収集・除雪といったインフラについては維持する方針を示している。
スカイランドきよみずは村営保養センター「清水荘」の後継として、平成7(1995)年にオープンした。現在の指定管理者の民間事業者による営業11月末で終了する。