「のるーと松本」利用促進に一手 本格運用半年 デリシアのポイント還元へ
松本市は14日、4月に本格運行を開始したAI(人工知能)を活用した予約制乗り合いバス「のるーと松本」の半年間(4~9月)の利用状況を公表した。寿エリア(寿、寿台、松原の3地区)の1日当たりの平均乗車人数は46・9人、梓川地区は同29・1人で、いずれも運用方針に目標として掲げた1日の乗車人数50人(収支率20%)に届かなかった。市は11月にスーパーのデリシア(本社・松本市今井)と連携して利用者に買い物ポイントを還元するキャンペーンを実施し、利用拡大を図る考えだ。
寿エリアは6月以降、1日当たりの平均乗車人数が50人前後で推移しており、目標値を捉えつつある。梓川エリアは4月の本格運行開始後に平均乗車人数が減少し、やや回復傾向にあるが低調な状態が続く。市公共交通課は「すぐに運行を止めるということにはならないが、定期的にキャンペーンなどの利用促進策を打つ必要はある」とする。
年代別の利用者は両エリアともに70歳以上の割合が50%を超えた。高齢者が買い物で使うケースが多いことから、デリシアと連携したキャンペーンを11月4~28日に梓川店、寿店、寿豊丘店で実施する。
のるーと松本に乗ってデリシアに行き、降車時に運転手から乗車証明書を受け取る。店舗で1000円以上の買い物をし、サービスカウンターで購入レシートと乗車証明書を掲示すると、プリペイド機能付きのポイントカード「ピコカカード」にポイントが付与される。ポイントの還元率は通常の10倍となる。デリシア営業企画部の神戸剛幸部長は「市と同じ思いで地域社会に貢献したい」と話す。
市公共交通課の大塚友宏課長は「収支率20%には届かなかったが、のるーとの存在が地域の中で着実に定着していると感じる。地域企業と連携したキャンペーンで利用促進に努めたい」と話している。