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2025年

「木曽号」の音色 楽しむ 陳さん制作バイオリン 木曽町合併20周年演奏会

2025/10/14
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 木曽町の名誉町民で世界的なバイオリン制作者の陳昌鉉さん(1929~2012)が手掛け町に寄贈したバイオリン「木曽号」の音色を楽しむコンサートが13日、町文化交流センターで開かれた。町の合併20周年を記念した「木曽学特別講座」として町教育委員会が主催し、住民ら約70人が陳さんに思いをはせながら聞き入った。

 陳さんは韓国出身。昭和32(1957)年から約4年間、当時弦楽器生産地だった旧木曽福島町(現木曽町)で独学でバイオリンの制作技術を磨くなどした。国内外で高い評価を受け、「東洋のストラディバリ」とも称された。平成16(2004)年と23年の2度、町にバイオリンを寄贈した。
 コンサートは共にバイオリニストの藤田将也さんと藤田若菜さんが出演し、クラシックや童謡、洋楽など幅広く奏でた。将也さんが木曽号を演奏し、若菜さんがビオラやピアノも使い音色を合わせた。
 陳さんと交流があった将也さんは、木曽号は「低音が良く、今まで弾いた中で他に上回るものはない」と語った。
 陳さんの妻・李南伊さん(85)=東京都=も演奏を聞いた。李さんは「活動の原点である木曽で手掛けた楽器の音色を聞いてもらえることは、陳本人も喜んでいると思う」と目を細めた。

木曽号が奏でられたコンサート