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2025年

災害時のトイレ「大変そう」 松本・新村地区の防災フェスで疑似体験

2025/10/12
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災害時のトイレを疑似体験する参加者
災害時のトイレを疑似体験する参加者

 松本市新村地区の「にいむら防災フェスティバル」(実行委員会主催)が11日、地元の松本大学で開かれた。簡易担架作りや炊き出し、災害対策用品紹介など多彩なコーナーを設けたほか、今年は特に災害時のトイレ問題に焦点を当て、家族連れらが楽しく体験しながら理解を深めた。
 災害のたびにトイレが避難所運営の大きな課題となり、災害関連死にもつながることから、考えるきっかけにしようと取り上げた。松本大観光ホスピタリティ学科で地域防災を教える教授・入江さやかさん(61)のミニ講義で被災地のトイレ事情や市の備えを学び、5種類の簡易トイレに腰掛けたり、使用手順を疑似体験したりした。
 使用体験では専用の黒いビニール袋をセットし、学生らが用意した小麦粉製の「便」や水を青く着色した「尿」を投入。凝固剤で固めると状態を確認しながら袋を閉じた。避難所内の一時置き場についても意識を向けてもらおうと、体験後の袋を積み上げてボリュームを「見える化」していった。
 家族と参加した芝沢小学校4年生・坂間晴斗君(10)は「簡易トイレを見たのは初めて。粉をかけたら固まったけれど、実際だと大変そう」と想像した。母の茜さん(37)は「子供は大変な状況で慣れないトイレは難しい。平常時に使っておくと、抵抗なく利用できるかも」と話していた。
 フェスは地区運動会の代替行事として指定避難所の同大を会場に始まり、3回目となった。