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2025年

塩尻の懐かしい喫茶店・シャルドネ 地区文化祭で限定復活へ

2025/10/11
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 17年前まで営業し、各種作品の展示や演奏会でも親しまれた塩尻市宗賀の喫茶店・シャルドネが、19日に宗賀公民館(支所)などで行われる地区文化祭で“限定復活”する。店主だった鵜沢千穂美さん(77)が通院しているなどの縁がある、近くの桔梗ケ原病院の職員もスタッフとして加わり、出店する。往時の店内の雰囲気を久しぶりに楽しめそうだ。
 園原和樹病院長が鵜沢さんに協力を求めた。19日は、愛好歴が25年ほどで自身で焙煎もする園原病院長らがコーヒーを入れ、鵜沢さんと病院職員らが接客に当たる。
 平成元(1989)年に開店したシャルドネには常連客が多く、病院の関係者もよく訪れていた。閉店後も多くの人に親しまれ、毎月、店舗で夜間に歌声喫茶が開かれていたが、新型コロナウイルス禍で途絶えていた。
 鵜沢さんは「話をいただいた時は尻込みをした。でも、園原先生や職員に親切にしていただいていることに感謝しており、お手伝いしたいと思い直した」と話す。「準備を進める園原先生や皆さんの話を聞いていると、私も元気になる。昔がよみがえってきたようだ」と言う。
 病院は認知症疾患医療センターを設けている。認知症は早期対応が重要で、多くの人が病気を知り、身近な人に病気の兆候が現れた場合、早く気付けることが重要だとみる。そのための環境を整えようと、親しみやすい形で地域との関係を深めようとしている。園原病院長はシャルドネの限定復活について「まずは、鵜沢さんや、かつて訪れていた人たちに、やって良かったと思ってもらいたい。その上で認知症を考えてもらえれば」と話している。
 シャルドネは、宗賀公民館東側に設ける「ふれあい広場」に、午前10時から午後2時半まで出店する。コーヒーは無料で200杯ほどを用意する。病院関連の企画はほかに、午後2時から園原病院長が講師を務めるミニ講座「珈琲vs認知症」が、午前10時から病院スタッフが対応するヘルスアップコーナーがある。
 地区文化祭は午前10時~午後3時半で、発表会の部と展示会の部もある。

シャルドネの出店を相談する園原病院長(左)と病院職員