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2025年

エア・ウォーターが梓川に新施設 再エネで農水産物生産、資源循環モデルに

2025/10/11
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 産業ガス大手のエア・ウォーター(本社・大阪市、松林良祐社長)は10日、松本市梓川倭に資源循環モデルの実証施設「地球の恵みファーム・松本」をオープンした。剪定枝などのバイオマス資源や食品廃棄物などを用いてエネルギーや電力を製造し、過程で出る熱や二酸化炭素を魚の養殖や農業に利活用する。資源循環による持続可能な農水産物の生産実現を目指す。

テープカットで施設のオープンを祝った
テープカットで施設のオープンを祝った

 施設は、同社の関連施設が隣接する梓川沿いの約1万平方メートル。バイオマスガス化プラントで、市内の公園から出る剪定枝、竹などを蒸し焼きにしてガスを生み出し、発電する。メタン発酵プラントでは、グループ会社のゴールドパックなどの食品廃棄物を原料にメタン発酵でバイオガスを生成し、発電もする。電力は施設内で利用するほか、売電もする。
 農業用ハウスでは排熱や排ガス中の二酸化炭素を光合成促進に活用し、トマトの栽培を始めた。養殖施設は人工の海水でサーモンやサクラマス、ウニなどを養殖、高品質な魚介類を安定的に生産できるシステムを構築する。
 松林社長は記者会見で「まずは松本の地域でモデル化した。廃棄される物を資源として活用し、地域に合った循環型モデルを構築していきたい」と述べた。同日は現地でオープニングセレモニーが開かれ、松本地域の首長や経済関係者ら約70人が出席。同市の臥雲義尚市長は「時代の変化を先取りし、切り開いていく象徴の施設。梓川を拠点に社会をけん引していく取り組みを進めていくことを願っている」と祝辞を述べた。