イワナの生息環境守るため産卵床作り 塩尻・奈良井川萱ケ平水力発電所
2025/10/11
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塩尻市奈良井の奈良井川萱ケ平水力発電所を運営するグリーン電力エンジニアリング(東京都)と奈良井川漁業協同組合は10日、発電所近くにある奈良井川の支流にイワナの産卵床を作った。同社や組合の関係者のほか、地元の楢川小中学校の児童も参加して作業を行い、イワナが増えることを願った。

イワナは流れが穏やかな場所に、川床を掘って産卵を行う。通水性のよい川床の方がふ化しやすいことから、下から順番に大きな石、小石と石を敷いた。児童たちは仲間と協力して支流の周りで石を拾い、一生懸命に川に運び入れていた。最後に、親魚となる雄と雌のイワナ約30匹を放流した。卵からかえった稚魚は産卵床で大きくなった後、下流でも生活するようになるという。楢川小中学校3年の荻村柑太君(9)は「いっぱい卵を産んでイワナが増えてほしい」と願っていた。
萱ケ平水力発電所は、奈良井川の本流で取水し、2キロメートル弱の水路を流れ落ちるエネルギーで発電している。水路の水が川に戻るまでの区間は水量が減少してイワナの生息環境に影響を与える可能性があることから、グリーン電力エンジニアリングは6年前から毎年、支流で産卵床の整備を行っている。