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2025年

市民芸術館が舞台鑑賞サポート本格導入 11月の演劇公演で

2025/10/10
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 松本市深志3のまつもと市民芸術館は、11月6~9日に上演する館プロデュースの演劇作品「チェーホフを待ちながら」で、視覚や聴覚に不自由がある人向けの鑑賞サポートを本格導入する。併せて障害者手帳所有者には「障がい者割引」を設定するなど、多くの人が舞台芸術に親しめるよう環境を整えている。
 視覚サポートは8日午後1時の公演で実施。開演15分前からの事前解説でセットや登場人物、衣装についてイメージしやすく紹介する。鑑賞者は誰でも聞くことができる。登場人物の表情や動き、場面などの説明を専用受信機にリアルタイムで届ける音声ガイドもある。補助犬は鑑賞中同伴できる。
 聴覚サポートは9日午後1時の回が対象となる。スタンド付きの専用ディスプレーに台本を表示するほか、せりふや音楽を直接耳元の機器に流して聞き取りやすくする。専用受信機だけでなく、電磁信号を受信するTコイル搭載の補聴器でも利用できる。
 機器類はいずれも無料で貸し出す。サポート希望者は、25日までに窓口か電話(0263・33・2200)、ファクス(0263・33・3830)、メール(mpac.access@gmail.com)で申し込む。
 公演は、ロシアを代表する劇作家アントン・チェーホフ(1860~1904)の一幕劇4作品を日本人の設定に置き換え大胆に潤色したコメディー。俳優の山内圭哉さんらが出演する。芸術館は「初めての人にも分かりやすい作品。舞台芸術を一度体験し、さらに興味を広げていただければ」としている。
 チケットは一般4500円、25歳以下2000円、障がい者割引4000円(移動支援が必要な場合は介助者1人が一般の半額料金)。問い合わせは芸術館(電話0263・33・3800)へ。

聴覚サポートの一つとして台本を表示するディスプレー