安曇野市議選 票獲得へ激戦 12日投開票 各陣営は投票率の行方注視
任期満了に伴う安曇野市議会議員選挙(12日投開票)は定数22に対し、現職13人、元職1人、新人15人の計29人が立候補して激戦となっている。各陣営は精力的に遊説や街頭演説を行い、SNS(交流サイト)も積極的に活用して票の獲得を目指している。有権者の関心をより強く引きつける市長選挙が無投票となる中で、結果を左右する投票率の行方にも着目している。
遊説する地域や街頭演説の手法は陣営によってまちまちだ。
ある現職は「人がたくさんいて距離感も近い」として特定の交差点に立ち続ける。遊説は一切しない。ある新人は「(主張を押しつけるような)強い圧力は時代に合わない。街頭演説はするが、うるさいので拡声器は使わない」とし、遊説に自転車を活用する。別の新人は街頭演説に力を入れており、1日に約30カ所をこなす。
立候補者を居住地域別にみると、豊科地域が最多の12人で、人口が最も多い穂高地域が10人と続く。堀金地域は4人、三郷地域は2人、明科地域は1人と偏っており、各陣営の戦略にも影響を与えている。ある新人陣営の幹部は「豊科は立候補者が多いのでなるべく避けている。明科は票を取り込みやすいかもしれない」と遊説エリアに知恵を絞る。
候補者の届け出氏名にも個性や戦略がにじむ。29人のうち「通称使用」で氏名に平仮名を用いているのは22人と多数を占める。ある新人は「平仮名の方が分かりやすいし、漢字より画数が少ないから投票用紙に書きやすいのでは」とする。
投票率は安曇野市が誕生した平成17(2005)年の74・8%を頂点に下落し続けており、4年前の前回選は55・6%だった。
ある新人は「今回は市長選が無投票だったから50%を切るのではないか」とみる。別の新人も「市長選がないのは痛い。前回よりもうちょっと下がるのでは」と警戒する。
一方、5地域別の選挙区で行われた平成17年の第1回市議選を除き、新人が15人と過去最多タイで選挙戦が活発に行われている状況から、ある現職陣営の関係者は「投票率は前回並みくらい」と予想する。「暮らしが大変という声を聞く。そういう声を反映するためにも政治に関心を持ってほしい」と投票率の向上に期待する。
