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2025年

果樹食害の昆虫・シタベニハゴロモ 松本で初確認

2025/10/09
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 ブドウなどの果樹に被害を与える中国原産の昆虫「シタベニハゴロモ」が、松本市内で初めて確認された。米国や韓国で急激に分布を広げ、国内では北陸地方や岡山県、岐阜県などで侵入が報告されている。長野県内でも確認例が断続的に出ており、警戒する必要がありそうだ。
 2日昼すぎ、北深志1のコンビニエンスストア店内で見つかった。衰弱した状態で床に落ちていた。後ろの羽に鮮やかな赤色の部分があり、目立っていたという。雌の成虫とみられる。
 市の学芸員・内川潤季さん(37)によると、県内では令和3年に初めて北安曇郡小谷村で見つかり、昨年は塩尻市で確認された。いずれも見つかったのは1匹だけなことから「今回を含め偶然運ばれてきたのではないか。すぐに目につく虫なので、もし繁殖していたら、もっとたくさん情報があるはず」と分析する。ただし、シタベニハゴロモが好む中国原産の木「ニワウルシ」(シンジュ)が市内で増えている状況を懸念する。
 農作物の病害虫の発生状況などを調査する県農業試験場病害虫防除部によると、県内で農業被害は報告されてないが、今年は9月下旬に南信地方からも発見情報が寄せられた。「もし見つけたら最寄りの市町村や県に情報を寄せてほしい」と呼び掛けている。

松本市で見つかったシタベニハゴロモ。一見地味だが、後ろ羽の赤色が目立つ