松本市の高齢者福祉入浴券が堅調 事業見直しから半年 利用できる施設拡大で
松本市が70歳以上の高齢者を対象にしている「高齢者福祉入浴助成事業」の見直しから半年が経過した。福祉入浴券を希望し交付を受けた高齢者が、市内の銭湯や温泉施設などを割安で利用できる制度で、本年度は銭湯以外で利用できる施設を新たに10カ所増やし20カ所にしたことで、交付人数が増加。4~9月で7203人となり、昨年度1年間の6587人を超えた。ただ、事業対象者は5万4074人で、交付率は13%にとどまっている。
同事業は高齢者の健康増進などを目的に平成9(1997)年度に始まった。市は本年度、銭湯料金の値上げなどを受け事業内容を見直し、利用範囲を拡大した上で銭湯の自己負担額を1回100円から200円に引き上げた。銭湯利用者を掘り起こして入浴券の利用者を増やすため、30枚つづりの入浴券のうち、10回分を銭湯以外の入浴施設で利用できるようにした。
銭湯以外の入浴施設は200円割り引きで利用できる。本年度から▽瑞祥松本店▽ラーラ松本▽桧の湯▽白糸の湯▽ホットプラザ浅間▽休暇村乗鞍高原▽白骨温泉公共露天風呂▽乗鞍高原湯けむり館▽ウッデイもっく▽温泉宿山荘わたり―で利用可能になった。
里山辺の白糸の湯は4月~8月末で延べ2818人の利用があった。同施設役員の赤羽正さんは「今までも『福祉入浴券が使えないのか』という問い合わせが多数あったので大変ありがたい」と歓迎する。今月初めて利用したという市内在住の佐藤陽子さん(82)は「運動の後、入浴に来られて便利。今後も使いたいと思う」と話し「銭湯と入浴施設の枚数割合が半々になれば」と要望した。
市高齢福祉課の勝家知子課長は事業の周知について「冬場の利用に向けて様々な場面でPRに努めたい」としている。福祉入浴券は市役所高齢福祉課や支所、出張所などで交付を受けられる。
問い合わせは同課(℡0263・34・3492)へ。
