松本大 令和9年4月に人間科学群開設へ 組織再編 学校改革図る
2025/10/08
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松本大学(松本市新村)は7日、令和9年4月の開設を目指す「人間科学群(仮称)」の構想を発表した。既存の人間健康学部と教育学部の連携協力を図り、心と体を総合的に学ぶ学部相当の組織で、AI(人工知能)やデータサイエンスなどの新鋭技術も積極的に取り入れる。併せて全学的により柔軟なカリキュラム編成などを可能にする「教教分離」の組織再編に取り組み、時代に即した大学運営を推し進める。
清水一彦学長らが学内で会見し、発表した。新学群設置には文部科学省の学部等連係課程制度を活用。人間健康学部の「健康増進」の学びと、教育学部の「心理」の学びを融合し、心と体に関わる幅広い学びを目指す。開設科目にはAI・データサイエンス系も予定し、技術を駆使しながら地域課題の解決を図る人材を育成したい考えだ。
定員は1学年40人。連携する2学部の定員を一部振り分け、新たな定員増は伴わない。教職員も両学部の教授らが兼務する。文科省に届け出た後、早ければ来春にも学生募集を広報する。
教教分離は教員組織と教育組織を切り離す考え方で、同じく令和9年度の実施を目指す。これまでは教員も学生も学部・学科に所属し、所属内での教育や研究を基本としたが、教員を緩やかな四つの専門組織(学系)に振り分け学部をまたいだ活動を促すことで、教育内容の硬直化を解消し、柔軟なカリキュラム編成などを実現する。
清水学長は「新たな教育革新、新たな価値形成という意気込みで制度設計した。盛り込む魂、中身を革新したい」と語った。