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2025年

ゴルフ場の神社 信仰守る 塩尻・北小野の塩嶺CC 毎年秋に地元住民と例祭

2025/10/07
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9月14日に行われた今年の例祭
例祭に合わせてしめ縄で囲われた御座石

 塩尻市北小野の塩嶺カントリークラブ(CC)には、コース内に神社「十五社」と、神社の祭神に関係する名所「御座石」がある。十五社では毎年9月中旬に総代会やゴルフ場関係者が例祭を執り行っている。敷地内に山ノ神などのほこらが残るゴルフ場は多いものの、住民が参加して神事を続けるところはあまりなく、地元とゴルフ場が協力して地区の歴史や信仰を維持している。
 十五社は、塩嶺CCのしらかばコースの2番と3番ホールの間にある縄文時代の遺跡「石塚遺跡」の上に、社と鳥居が設けられている。勝弦区誌(平成14年発行)などによると、かつては別の場所にあったが、ゴルフ場の造成に伴い昭和48(1973)年に現地に移設された。
 御座石は3番ホールのティーグラウンド近くにある縦横3メートルほどの巨石だ。女神が石の上でお産をしたとの伝承が残る。「子宝に恵まれるかも」と石に触っていくプレーヤーもいるという。
 ゴルフ場はコース整備の一環として定期的に草を刈って神社と石を維持しているほか、例祭は小野神社と地元の勝弦東照宮の総代が交互に例祭を取り仕切っている。今年の例祭は9月14日に行われた。出席した塩嶺CCの村上富雄支配人は「地域の歴史を感じられる場なので、これからも地元の方と大切に守っていきたい」と話している。