女鳥羽に癒やしの空間創出 住宅街に市民有志 ホタル舞う場、避難所にも
2025/10/04
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松本市女鳥羽1の住宅街で、有志が住民の憩いの広場を造っている。井戸を掘って水路を設け、ホタルが舞う場所にする。自然と接する機会や交流を通じて、お年寄りや子供らのつながりを生み出す。災害が起きた際には湧き水を役立てて、避難場所として活用する。
地元の南上横田町会長で三協電気工業会長の百瀬正容さん(75)が発案した。同社の社長で長男の友志紘さん(44)や県建築士事務所協会松筑支部まちづくり委員会のメンバーらが協力して取り組む。
広場は約400平方メートルで三協電気工業の北側に位置する。水路の一部を囲いホタルの観察ができる「ホタル小屋」を設け、ビオトープにはメダカやフナなどが暮らせるようにする。ベンチを置き、モミジやアジサイなどを植栽し、枕木や石、芝生を敷く。
災害時の避難場所を造りたいと考えて活動が始まった。空き家を取り壊して場所を確保。広場の近くにホタルが生息していることもあって、生き物を育む広場にした。百瀬さんの愛犬にちなんで「きょーたろー公園」と名付けた。まちづくり委の滝澤顕委員長(47)は「防災に役立ち自然を大切にする。空き地活用の好例」と捉える。
広場は主に町会や地区の行事の会場として利用し、一般開放はしない。完成が近づいており、12日には広場を使って、南上横田町会と近隣の他町会との合同防災訓練を行う。
百瀬さんは広場が交流の場となるよう思い描き「人がつながり、皆で何かやる、何かいいものができるというきっかけになれば」と願っている。
