丸山元県議に2審も懲役19年 妻殺害事件で東京高裁が1審の判決支持
2025/10/02
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令和3年9月に塩尻市塩尻町の自宅兼酒蔵で妻の希美さん=当時(47)=を殺害した罪に問われ、一審の長野地裁で懲役19年(求刑・懲役20年)の判決を受けた元県議会議員・丸山大輔被告(51)の控訴審で、東京高等裁判所(辻川靖夫裁判長)は1日、一審判決を支持し、丸山被告の控訴を棄却した。弁護団は不服として即日上告した。
控訴審で弁護団は、①防犯カメラに写った車両と被告の車両の同一性は証明されておらず、被告が長野市の議員会館と自宅間を往復したとの検察主張は仮説にとどまる②現場の状況から物盗り犯の犯行と見るのが自然③被告には切迫した犯行動機はなかった―などとして、あらためて無罪を主張。弁護団は新たに8点の証拠を提出したがいずれも採用されなかった。検察は控訴棄却を求めた。
判決で東京高裁は、一審判決での事実認定は、証拠や経験則に照らして判断の大筋は不合理ではなく、丸山被告が犯人とした結論に誤りはないとした。車両の同一性については「正確な距離や移動時間を明示できないとしても、常識的に見て、(被告が議員会館と自宅を往復したとする点に)不合理な点はなく、こうした移動が困難だと示す事情はない」とした。
丸山被告は黒色のスーツを着て入廷。判決の読み上げが1時間を超える中、終始、うつむきかげんで判決を聞いていた。表情は変わらなかったが、何度もハンカチで頬やまぶたをぬぐい、落ち着かない様子だった。
判決後、報道陣の取材に応じた征矢芳友弁護士=松本市=は判決後すぐ、東京高裁に上告申立書を提出したことを明かし、「最高裁で判断を仰ぐことになる。(控訴棄却という高裁の判決は)間接事実の総合評価が、被告が犯人であるというところから出発しており、一審判決の上書き。納得できるところは何もなかった」と述べた。