「きそバス」運行スタート 町村間結ぶ広域幹線バス おの足確保 観光振興も
2025/10/02
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木曽地域の町村間を結ぶ新たな公共交通「きそバス」が1日、運行を開始した。人口減少やドライバー不足といった地域課題に対応するため、これまで各町村が運行していたバス路線を広域幹線バスとして再編した。木曽町福島のおんたけ交通車庫で出発式が開かれ、地域の新たな交通の幕開けを祝った。
「きそバス」は、木曽町福島を起点に、北部・西部・南部・開田の4幹線に7系統を設定。従来の町村単位のバス運行を抜本的に再編し、各町村の枝線バスと有機的に接続することで、通勤・通学・通院・観光まで、多様な移動ニーズに柔軟に対応する。
運賃システムは初乗り200円から始まるゾーン制を導入し、わかりやすく、公平な料金体系を実現。さらに、QRコードによるキャッシュレス決済や、小中学生の無料化、JR定期券との組み合わせなど、利用者目線の割引制度も用意した。
深刻な運転手不足と地域の交通維持という構造的課題に対応すべく、令和3年度に行政、交通事業者、住民が一体となり、「木曽地域公共交通活性化協議会」を立ち上げ、議論を重ねた。出発式で、協議会長の小林弘一・県木曽地域振興局長は「町村間の路線統一には多大な調整と準備を要した」と経緯を説明。広域連携による公共交通再編の意義を強調しながら「地域公共交通の新たな一歩。生活の足の確保に加え、観光・地域間交流の促進にも寄与するはず」と力を込めた。
