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2025年

「水舟」力合わせて完成 大桑・須原宿 住民や村外者制作

2025/10/01
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 大桑村教育委員会は9月、村内須原宿に点在する丸太をくりぬいた水場「水舟」の制作企画を3回にわたって須原地区館で開いた。地元住民や一般参加者らが、直径約80センチ、長さ3・5メートルの丸太から1基を完成させた。10月12日にも村歴史民俗資料館前に展示し、地域の文化の発信・継承につなげていく。

 企画は今年が昭和元(1926)年から数えて100年目の節目に当たることに合わせた記念事業の一環。宿場内の水舟を作る、地元住民による「須原宿景観形成運営委員会」と一緒に、村民から寄贈を受けたサワラの丸太を加工した。
 チェーンソーなどで切り取って水をためるくぼみを作り、のみで形を整えた。送水や排水用の溝、穴を作り、3回目の9月28日は、同委員ら約10人がやすりをかけるなど仕上げの作業に励んだ。滑らかに磨き上げ、最後に、構造を隠して見た目もよくする木の「化粧板」を両端に載せた。
 地域の若手や村外からの参加もあった。企画担当の同委員・栩秋浩二さん(71)は、宿場内の水舟を更新する作業は10年以上の間隔で行う中で「技術継承の点でも意義があると思う」と話した。
 水舟は、かつて宿場内の随所にあったが水道整備で姿を消した水場を、昭和40年代に住民の手で復活させたものだ。野知里浩寿教育長は「村の『昭和』を代表する資料とも言える。展示し、次代に残していきたい」と話していた。
 企画は県の地域発元気づくり支援金を活用した。

協力して水舟を制作する参加者(9月28日)