松本市指定避難所にスポットクーラー 学校などで平時に使用、災害に備え
2025/09/30
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松本市は、指定避難所になっている市内の小中学校や高校、地区公民館などに移動式の冷房機器「スポットクーラー」の配備を完了した。いざという時にすぐ対応できるように、防災倉庫などで保管するのではなく、普段の生活から使用していく。国の交付金を活用して避難所環境の向上を図る事業で、プライベートテントや移動式暖房機器「ジェットヒーター」、トイレカーの配備も予定している。
スポットクーラーは高さ1.4メートル、幅55センチ、奥行き56センチで、108カ所に計116台を配備した。うち旭町小学校は11日に設置され、残暑が厳しい中、熱中症対策で体育の授業中に使用している。
プライベートテントは2.1メートル四方で高さ2.2メートル。全指定避難所157カ所に各2張(計314張)を配備し、更衣やおむつ替え、療養スペースとして使用する。トイレカーは2台を発注しており、本年度末には納入される予定だ。
ジェットヒーターは厳寒な地域で大規模な空間のある指定避難所17カ所に計35台を配備する。費用は全体で8000万円ほどで、うち半分を国の「新しい地方経済・生活環境創生交付金(地域防災緊急整備型)」で賄う。
災害時に使う備品を平時から使い、慣れておく「フェーズフリー」の考え方に基づき、市は市民に積極的な利用を呼び掛けていく方針だ。市危機管理課の担当者は「平時から使い続けることで災害時に抵抗なく利用できることを目指したい。防災関係のイベントなどで備品を活用するよう周知していく」と話している。