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2025年

特攻の歴史に理解深める 松本市と松本JC 知覧訪問前に事前学習会

2025/09/29
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特攻の歴史への理解を深めた事前学習会

 松本市と松本青年会議所(JC)は28日、若者を中心に鹿児島県の知覧などを訪問する「松本と鹿児島をつなぐ特攻から考える平和学習」の事前学習会を同市中央1のMウイングで開いた。高校生を含む約80人が参加し、アジア・太平洋戦争の経過をたどりながら「特攻」に向かう背景などに理解を深めた。
 近現代史研究家の大日方悦夫さん(72)=長野市=が「今、『特攻』の歴史から何を学ぶか―過去の悲劇から行動する未来へ」と題し講義した。戦況が悪化する中でも国体護持が優先され、沖縄戦は本土決戦までの時間稼ぎだったことなどを説明。特攻隊は沖縄戦を中心に約4000人もの犠牲を出し、捕虜となることを許さず悠久の大義のための死を美徳とする思想が背景にあったことも紹介した。
 昨年旅行で知覧を訪れ、再度、特攻平和会館の見学を希望し参加する松本県ケ丘高校(松本市)の2年生・前村陽太郎さん(17)は「当時の人々の特攻を断れなかった心情など、同じ若い世代として知って発信しないといけないと感じた」と話していた。
 戦後80年の節目に合わせた事業で、現地学習は10月25~27日に松本空港と鹿児島空港を結ぶチャーター便を利用して実施。知覧特攻平和会館や戦跡などを見学するほか、現地住民との交流を兼ねた学びの発表会などを計画する。対象を当初の高校生以上から小学生以上(中学生までは保護者同伴)に引き下げ、10月3日まで募集している。