0000日(木)
2025年

穂高神社で御船祭 観衆埋め尽くす

2025/09/28
後で読む

 安曇野市の穂高神社で27日、県無形民俗文化財に指定されている「御船祭」の本祭りが営まれた。歴史や日本神話のひと幕を伝統の穂高人形で表現した2台の山車「御船」が境内で激しくぶつかり合い、大勢の観衆を沸かせた。
 船は長さ12メートル、高さ6メートルで、穂高区は塩尻市の「善知鳥峠」の民話、両町区(穂高町区・等々力町区)は「多聞丸(武将・楠木正成の幼名)」の伝説を基に飾り付けた。
 太鼓や笛などのおはやしが鳴り響く中、見上げるほどに大きな2台の船が拝殿前に引き入れられ「行くぞ!」「せーの!」の掛け声で激しくぶつかり合った。衝撃で木の骨組みがめきめきと音を立ててしなると、参拝者から歓声が上がった。船の「雄腹」と「雌腹」をぶつけ合うことで子孫繁栄、五穀豊穣を願う。
 中学生の時に御船でおはやしを演奏した大町岳陽高校2年生の山﨑蒼真さん(17)=穂高=は、「あらためて迫力を感じた。地元の大事なお祭りが受け継がれますように」と願っていた。
 市制20周年を記念して市の姉妹都市から来賓が見学に訪れた。等々力良勝禰宜は「例年以上に人出が多く、活気があるお祭りになって神様も喜ばれたと思う」と話していた。

拝殿前で豪快にぶつかり合う御船。参拝者で境内が埋め尽くされた
拝殿前で豪快にぶつかり合う御船。参拝者で境内が埋め尽くされた