御嶽山噴火災害11年 犠牲者を悼み王滝で式典
2025/09/28
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死者・行方不明者63人を出した平成26(2014)年の御嶽山噴火災害から11年となった27日、王滝村の松原スポーツ公園で犠牲者追悼式が開かれた。遺族、地元関係者ら63人が参列し、犠牲者を悼むとともに、噴火の記憶を継承し、火山防災に取り組んでいく決意を新たにした。
発災時刻の午前11時52分に黙とうをささげた。実行委員長の越原道廣村長は式辞で、犠牲者に哀悼の意をささげるとともに「人命の安全を第一に考え、火山防災対策にまい進していくことを固く誓う」と述べた。来賓を代表し、千村孝男・木曽町議会議長が「噴火災害を語り継ぎ、二度と犠牲者を出さないことが、地元に住む私たちがしなければならないことだ」と追悼の辞を述べた。
長男の亮太さん=当時(19)=が尾根筋・八丁ダルミ周辺で行方不明となっている野村敏明さん(65)=愛知県刈谷市=が、遺族・行方不明者家族を代表して言葉を述べた。「遺体が見つからず本人を家に帰してあげられない」とやるせない思いを語り、亮太さんに「19年間私たちの子供でいてくれてありがとう。これからも亮太はいつまでも家族の一員です」と語り掛けた。
追悼式は同村と木曽町でつくる実行委員会が主催。今後の追悼式継続に向け、担当者の負担軽減を図るため、昨年まで来賓として招いていた知事と県議会議長への案内を今年は出さず、来賓を木曽郡内関係者のみに絞った。
