信大生がAI活用の学習塾開設 理学部3年の金沢さんが松本に
2025/09/27
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信州大学(本部・松本市)理学部3年の金沢旺央さん(24)が、松本市のJR北松本駅近くに個別指導塾「Why Lab(ホワイラボ)」(城西1)を開設し、中高生の学習支援に取り組んでいる。「生徒の『やりたいこと』を明確にし、全力で取り組んでほしい」と、AI(人工知能)も活用した独自の学習プログラムで夢の実現を後押しする。
4月に開設し、理系教科と国語、英語を中心に指導している。塾内にはパーティション付きの机が並び、授業スペースと、自習スペースに分かれている。9月現在で7人の生徒が利用しており、うち6人は体験授業からの入塾生だ。
生徒の自学自習を重視した学習プログラムが特徴だ。入塾1カ月後に面談を行い、志望校が生徒の「やりたいこと」に合致しているかを確認する。周囲に影響されて選んでいる場合は、他の選択肢も示す。視野を広げ、状況を客観視する「メタ認知」を重視し、大学進学の先を見据えた指導を心がける。
通話アプリ「LINE」上で利用できる独自開発の対話型AI「ホワイくん」も活用する。定期的に生徒に勉強の進度を尋ね、目標と現状を認識させる。勉強上の悩み事も相談でき、会話の内容は指導に生かされる。
金沢さんは韓国生まれで、小学校5年生まで韓国と日本を行き来する生活を送った。読み書きの習得に苦労し、韓国では学年を繰り下げられる悔しさも味わった。閉じこもりがちになることもあったが、周囲の助けを得て「がむしゃらに」勉強した。この時に教育が持つ価値を実感したという。
塾のロゴマークは双葉の芽をモチーフにしている。「教育は種まき」といい、「劇的な成長は望まない。生徒自身が目標を見つけられる環境を作りたい」と力を込める。
