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2025年

ひきこもり支援 体制強化 松本市が10月から 専門性高め民間の力活用

2025/09/25
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 松本市は10月、ひきこもりなどの社会生活上の課題を抱える人への支援体制を強化するため、市社会福祉協議会やNPO法人と連携した支援事業を始める。福祉における地域ネットワークや、ひきこもり支援の専門知識を有する民間の団体を活用し、「制度のはざま」で支援が届きにくかった人へのアプローチを図る。
 市役所東庁舎の「まいさぽ松本」内に市社協、市波田支所にNPO法人グランド・リッシュ(安曇野市)の職員がそれぞれ1人ずつ常駐し、「伴走コーディネーター」として対面や電話、電子メールなどで当事者や家族から相談を受け付ける。職員は社会福祉士や精神保健福祉士、臨床心理士などの有資格者だ。
 相談を起点に、当事者の自宅への訪問などを重ねて信頼関係を構築する。市の担当部署などとチーム体制をつくり、支援制度の案内や、就労先や居場所を見つける支援をする。
 外部との交流を避け、6カ月以上自宅にとどまるひきこもりの人からの相談件数は年々増加傾向にあり、令和6年は195件に上った。80代の親が50代の障害を持つ子を介護する「8050問題」や、子供が家事などを負担するヤングケアラーの問題も市内で顕在化している。
 これまで市が「誰も取り残さない全世代型支援体制整備事業」の一環として行っていた「アウトリーチ支援」と「参加支援」を2団体に外部委託し、福祉政策課の職員2人で対応していた支援を、人員や専門性の面から強化する。臥雲義尚市長は24日の定例記者会見で「支援の周知を図り、市としても積極的に問題に取り組みたい」と述べた。

事業開始を周知するチラシ