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2025年

筑北・坂北の仁熊大日堂で伝統の祭典

2025/09/25
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 筑北村坂北仁熊の仁熊大日堂で23日夜、秋彼岸の伝統行事「大日如来祭典」が行われた。鎌倉時代の作とされる木造大日如来坐像(国重要文化財)がご開帳され、法要が営まれたほか、ラッキョウ形をした仁熊独自の「らっきょちょうちん」を掲げた住民たちによる笛・太鼓の奉納演奏「練り込み」もあり、地域住民が秋の夜長を楽しんだ。

 大日如来坐像が見えるよう、収蔵庫と本堂の扉が一直線に開け放たれた。法要は大日堂と縁の深い岩殿寺(別所)の細野順伸大住職(前住職)と順諦住職が護摩をたいて営んだ。その後は仁熊区内の各集落の住民たちが長さ約3メートルのさおに取り付けたらっきょちょうちんを掲げて境内に入り、本堂前で練り込みを行った。締めくくりには打ち上げ花火も奉納され、地区住民が美しく彩られた夜空を見上げて楽しんでいた。
 今夏には境内の樹齢800年と伝わる大モミが伐採された。住民の男性(80)は「いつもあるはずの景色が消えたのは残念だが、太鼓と笛の音色を聴くと元気がもらえる」と目を細めた。祭典委員長の市ノ瀬茂さん(70)は「仁熊の住民にとって最も大切な祭り。一年でも長く続けていきたい」と願っていた。

境内でちょうちんを掲げ、練り込みを披露する住民たち