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2025年

松本市営霊園で区画の返還増加 継承者不足や埋葬方法多様化で 市、将来的に在り方検討も

2025/09/23
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 松本市営霊園で、墓じまいや改葬で墓地区画を返還するケースが増加している。市営霊園10カ所の昨年度の返還数は96件で2年連続で90件を超え、100件の大台に迫る。継承者不足や、墓石を建てない樹木葬など埋葬方法の多様化が背景にあるとみられる。
 市営霊園は中山、蟻ケ崎、並柳、奈川のほか、梓川地区のあずさがわ、横沢、上野、波田地区のさみぞ、つつじケ丘、下原がある。返還数は規模が大きい中山が46件と多く、蟻ケ崎26件、並柳4件と続く。
 返還理由は墓じまいが70件(前年度比2件増)で最も多く、購入したものの使用する見込みがなくなったという理由が19件(同5件増)。中山霊園合葬式墳墓への改葬が5件、市営霊園以外の墓所への改装が2件だった。
 市営霊園を管轄する市環境保全課は、生活や家族の形態が変わるなどし、墓を代々継承する意識に変化が生じ、墓じまいなどで合葬式墳墓や寺院管理の墓所への改装が進んでいるとみる。
 市は年1回、市営霊園の使用者を募集している。本年度は市営霊園7カ所・計209区画で募集をかけるが、うち176区画が返還された区画で、年々返還区画の割合が増えている。
 市環境保全課の担当者は「区画の返還が増えれば募集を増やす。ただ、返還数がこのまま右肩上がりで増えていくと将来的に市営霊園の在り方を検討する必要も出てくる」と話している。

市内で最も規模の大きい中山霊園。返還区画も最も多い
市内で最も規模の大きい中山霊園。返還区画も最も多い