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2025年

農家の現実を体感しよう 松本市今井の農業者団体がツアー初企画

2025/09/21
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 松本市今井で果物や米を栽培する農業者7人でつくる「松本農未来Project」は20日、地元のブドウ畑などで、ブドウの収穫や出荷を体験しながら農家の「リアル(現実)」を体感してもらうツアーを初めて開催した。就農を考える県外の男性ら2人が参加し、プロジェクトのメンバーと交流しながら農業の面白さや大変さを体感した。
 プロジェクトの代表・横山竜大さん(60)のブドウ畑でシャインマスカットを収穫し、1房ずつの重さを量る選別作業をした。「ブドウの白い粉・ブルームが取れると商品価値が下がるので、実には触らないで作業して」など、気を付ける点を聞きながら進めた。ピオーネや紅信など数種類のブドウも食べ比べた。
 新米のおにぎりを味わった昼食時には、都内勤務の行政書士から就農したプロジェクトメンバーの江連正丈さん(44)とも懇談した。農家での研修期間や就農した最初は稼げず、お金が出ていくばかりで「大変だった」と金銭事情も語った。
 横浜市の会社員男性(55)は「苦労もあるが、楽しんでやっていることが分かった」と話した。横山代表は「市内の農業者の80%が60歳以上。新規就農へのきっかけづくりになっていけば」と願っていた。
 市や農業、観光団体でつくる「市農業の課題解決プラットフォーム」の「農業と観光に関する検討部会」が企画し、松本観光コンベンション協会がツアー販売を担当した。

何種類ものブドウの食べ比べをする参加者たち
何種類ものブドウの食べ比べをする参加者たち