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2025年

蘇南高生 OBの遺作飾る 南木曽 広瀬さんの空間芸術 寄贈受け校内に

2025/09/21
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 蘇南高校(南木曽町)に18日、地元出身で同校卒業生の画家・広瀬淑子さん(1943~2015)の作品が寄贈された。空間そのものを表現する「インスタレーション」作品で、広瀬さんの思いを想像しながら生徒が校内の一角に飾った。広瀬さんの遺族は一昨年から町内各所に段階的に作品寄贈などをしており、一連の取り組みは今回で一区切りとなる。

 蘇南高へは、発泡スチロールなどでつくった大小さまざまな突起物計2600個を壁や床に並べる作品のうち500個が贈られた。母や豊穣、命の根源の美しさなどを表現しているという。
 美術科目を選択する3年生5人が、広瀬さんの長男で芸術家の藤原隆洋さん(56)=東京都=と一緒に飾った。突起物の大小や密度など、本来の作品でどう配置されているか話し合ってから、校内の壁に準備した縦1・5メートル、横3・3メートルのボードに再現するように並べた。今後も生徒が随時配置し、作品に参加する展示形式にする予定。
 藤原さんは「作品に実際に触れ、向き合うことで親しみにつながれば」と話した。
 これまで、地元のこども園や小中学校にも広瀬さんの絵画を贈った。町内で開いたチャリティー作品展は、売り上げ計約82万円を教育支援のため町に寄付。藤原さんは「子供たちが成長する中で少しでも心に残るものがあれば。広瀬や芸術を身近に感じてもらえればうれしい」と願っていた。

生徒が広瀬さんの思いを考えながら配置した寄贈作品