お船祭りの季節 準備に汗 安曇野市内の神社で制作ヤマ場
2025/09/17
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9月下旬にお船祭りを行う安曇野市内各地の神社で、船形の山車「お船」づくりがヤマ場を迎えている。お船の骨組み、上部に設置する飾り物などの制作に、地元住民たちが汗を流している。
26、27日に御船祭が行われる穂高神社では、穂高区と、穂高町区・等々力町区(両町区)がそれぞれ全長12メートル、高さ5・6メートルの大人船の制作を進めている。14日は穂高区の担い手集団・穂高睦友社の約20人が、山から切り出したナラの木でお船のハラ(前後の膨らんだ部分)を編み上げた。船首・船尾部分から上下に延びる7列のナラを巧みにしならせて膨らみをつくり、本番で両町区のお船とぶつかる部分を麻縄で補強。雨にも負けず意気揚々と作業していた。
善知鳥峠(塩尻市)の伝説をテーマにした人形制作もほぼ完了。山田智社長(57)は「使命感を持ってやっている。安全で楽しく、皆に喜んでもらえる祭りにしたい」と意気込む。
20、21日に例大祭がある重柳八幡宮(豊科南穂高)の祭り保存会も14日、お船の制作に精を出した。全長約10メートル、高さ約5メートルのお船に幕を張り「源頼朝初陣」をテーマにした人形を飾る舞台を装飾。松を配置し、大道具の岩や山に白の塗料をまぶして雪を表現した。
おはやしの練習は太鼓担当の小学生も参加して週6日ペースで続けている。白坂博文会長(56)は「地域の団結を深め、若い世代が参加しやすい祭りにしたい」と話す。市によると、お船祭りを行う神社数は少子高齢化や新型コロナウイルスの影響で徐々に減っている。お船制作を続けるのは22社(池田町、松川村の神社を含む)で、このうち19社は秋に例大祭を行っている。

