地震、暴風雨…相次いで被災 お宮の復旧 下西条が一丸 塩尻・健國神社
2025/09/13
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塩尻市下西条の健國神社境内にある「小宮」などの建物や備品が、今春に起きた地震や暴風雨で相次いで壊れ、下西条区と神社総代会が対応を急いでいる。小宮2棟に鎮座していたご神体5柱(5体)を移したことなどに伴う神事が11日に営まれた。区や神社総代会の役員、歴代の総代長らで会議も開き、今後の対策を話し合った。
小宮2棟は3月末の地震で全体にゆがみ、屋根瓦がずれ、倒壊の恐れもあるとみられる。ほかに、境内に立つ石灯籠1基は土台にひびが入る被害が出た。4月28日の例大祭宵祭りは暴風雨に見舞われた。「五つ燈籠の木枠」が落ちて壊れ、のぼり旗が破れた。
8月下旬、もともと小宮の中にあり、ご神体を納めていたほこら二つにご神体5体を分けて改めて納め、隣り合う本殿に“間借り”する形で遷座した。氏子衆がほこらのほこりをきれいに落とし、関連の神事も行った。
11日の神事は遷座を受けて営まれ、昔はこの時期に例大祭があったことにちなんだ。宇治橋邦彦宮司は「下西条の皆さんは、地域を挙げてお宮に関わる機会が多い。うれしく、ありがたいと感じる」と話す。
会議では、小宮を解体することを確認した。農作業が一段落する10月下旬~11月に作業する方針で、住民に協力を呼び掛けることにした。石灯籠は上部の本体を地面に下ろして当座の安全を図ることを決めた。五つ灯籠の木枠は新調した。のぼり旗をどうするかの検討も進める。川窪竹治氏子総代長(64)は「一刻も早く危険を回避したい」と話す。
下西条区は令和5年、境内にある公民館を建て直したばかり。財政に余裕がない時期に相次いで問題が起きた。青木弘貴区長(73)は会議で「いろいろなことがあったが、次に進めていかなければならないという気持ちがある」と話していた。