学習塾 不登校の子を支援 居場所を提供 塩尻・いずみ塾広丘駅前校
2025/09/12
後で読む

塩尻市広丘野村の学習塾「いずみ塾広丘駅前校」が運営するフリースクールが、県から「信州型フリースクール」として認証された。不登校の小中学生の居場所づくりで、施設の空き時間を開放して、塾講師が子供たちに学習支援や遊びの場の提供をしている。市によると、市内の民間団体が認証されるのは初めて。
県が多様性に富んだ学びの場としてフリースクールなどの民間施設を公認する「信州型フリースクール認証制度」で、広丘駅前校は7月24日に認定された。認証されると県の財政支援が受けられる。
「フリースクールいずみ広丘駅前」は毎週火曜日午前9時~午後1時に活動している。個別学習、集団でのボードゲーム遊び、昼食の時間がある。通うと、在籍する学校への出席として扱われる。毎回5人ほどが利用している。今月2日に訪れた塩尻市の中学3年生の女子生徒は「勉強を分かるまで最後まで教えてもらえる。他の学校の子と仲良くなれるところもいい」と話していた。
広丘駅前校での居場所づくりは昨年度に1年間、市の実証事業で行われた。同校責任者で講師の高木徹也さん(40)が不登校支援の協力を申し出て、市と連携して始めた。市北部に学習支援場所ができ、広丘地区の子供が通いやすいという。
高木さんは、塾が運営するフリースクールの利点について「子供たちの(将来の)先を見通して個々のペースに合わせて勉強を教えられる」と、塾ならではの個別指導や進路対策の強みを挙げる。いずみ塾の運営会社が社会貢献でフリースクールを開き、現在は利用は無料だが、県の補助金があっても運営が厳しいのが課題という。子供たちが安心して通えるように「黒字化させたい」と言い、その事例を県内各地の塾に広めたいとしている。