『松本の本』音楽文化を特集 第4号発売 創刊以来、累計1万部突破
2025/09/09
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松本市民が松本の魅力を掘り下げる雑誌『松本の本』の第4号が今月発売された。平成31(2019)年の創刊以来、累計発行部数は1万部を突破。最新号では、近年変化が著しい松本市街地の「裏町」や、クラシック音楽とは別の角度から松本の音楽文化に迫った「楽都松本!?」を特集している。
巻頭では昭和の時代、裏町のスナックで歌姫だった早坂悠子さんを取材。生演奏が身近に根付いていた下町の文化を生活者目線から掘り下げた。全国から観客が訪れる「りんご音楽祭」や伝統の「松高・信大寮歌祭」、御柱の木遣りや市歌、校歌なども取り上げ、音楽が生み出す松本の文化を多角的に考察している。
聞き取りを元に再現した昭和30年代の裏町の地図の他「松本城周辺の原始・古代・中世」「松本の理容史」など書き手が自由なテーマで寄せた記事も満載。建築家や研究者、工芸作家、飲食店主ら松本をこよなく愛する約40人が執筆した。
街が移り変わり往時を知る人が減る中、記録する意味も込めたという。発行元の古書店喫茶・想雲堂(大手4)の渡辺宏さん(53)は「地域文化の多様性を感じ取ってほしい」と話している。B5判カラー148ページ(付録の地図付き)で1500円。想雲堂や松本地域の主要書店で取り扱っている。
