理想の庭に人集う茶房 塩尻洗馬の造園業・熊谷崇さん きょう開業 原風景を表現
2025/09/05
後で読む

塩尻市洗馬元町で造園業・庭蒼を営む熊谷崇さん(46)は会社事務所南隣の敷地に、自分の理想とする庭がある茶房「一緑」を5日に開業する。平成18(2006)年の創業から20年近く実績を積み重ねた熊谷さんの現時点での集大成となる場所で、「庭が良いと思って人が集まってくれれば」と願う。
敷地面積は731平方メートルで、木造平屋(約101平方メートル)の店舗を囲むようにある庭が約7割を占める。庭には松本市山辺地区で採掘される、石英閃緑岩の「山辺石」が20個ほど配置されている。大きなものは長さ約2メートル、重さ約2トンもある。硬く耐久性が高い山辺石は、松本城の天守閣の石垣にも使われている。近隣に自生するコナラ、モミジを主にサクラ、リョウブなど計約20種類を植えた。水も流れトンボなどの昆虫も来る。建物内は大きなガラス窓があり、どこからでも庭の景色が楽しめる。来春にはコケも入り、庭を育てていく考えだ。
熊谷さんは地元で生まれ育ち、19歳で松本市の造園関係の会社に就職、8年働いて創業。顧客の思いをくんでさまざまな庭園を造ってきた。「自分が育った美しい自然の一部を切り取ったような景色を庭にしたい。理想とする心象風景を表現したい」との思いで、空き家になっていた隣地と建物を所有者から購入、この事業を進めてきた。更地にして令和6年9月に新築工事に着手した。一緑の名称には「庭造りで一番になりたい」などの熊谷さんの思いがこもる。
茶房では予約制のランチで和食のコース料理(3850円)を提供し、午後3時以降は自由来店でお茶などが注文できるようにする。営業日は金~月曜の4日間。問い合わせはインスタグラムのメッセージまたは電話で一緑(電話050・1726・3356)へ。