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2025年

登山道整備 御嶽に優しく 王滝村 雨水浸透の構造へ改善 田の原で作業

2025/08/28
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 御嶽山の登山道入り口となる王滝村の田の原で25~29日、登山道整備が行われている。一帯では雨天時、登山道に敷かれた砕石が側溝に流出して詰まり、水があふれる事態が起こっている。登山道の各ポイントを、水を土中に浸透させる構造に作り替え、登山者を迎える環境の改善を図っている。
 作業箇所では、道を横切る形で深さ約40センチ、幅約80センチの溝を掘削。溝の中にくいを打つなどしてから、大小の石を2層になるように敷き詰める。作業は3年目で、今年は登山道約20メートルの区間で溝を6カ所掘る。
 事業は、村が県地域発元気づくり支援金を受けて実施し、一般社団法人ルーツオンタケ(木曽町福島)が施工。同法人の畠山智明理事によると、雨水を土中に浸透させる仕組みを採用することで、登山道の快適性向上だけでなく、周辺の田の原湿原や生態系の負荷低減にも寄与できるという。畠山理事は、登山者にも自然にも優しい環境づくりを通じて「御嶽山を後世に残していくことにつながれば」と願う。
 整備作業では、同法人のメンバーや技術作業員に加え、県内外から参加したボランティアが活動している。茅野市から参加したボランティアの40代女性は「御嶽山は小さな頃から来ていて身近な山。土地を傷めない登山道整備についても学びたい」と話していた。

登山道整備に汗を流す参加者