OMF公募合唱団を恩返し指導 小澤征爾塾出身・歌手で教諭の朝倉美和さん
2025/08/27
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メゾソプラノ歌手で、梓川高校(松本市)音楽教諭の朝倉美和さん=松本市=は、開催中の国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)で、永世総監督の故・小澤征爾さんの生誕90年を祝うオーケストラコンサートBプログラムに出演する公募合唱団に加わり、ドイツ語の言語指導を行った。小澤さんが若手音楽家育成のために立ち上げた小澤征爾音楽塾で学んだ経験があり、「小澤先生の誕生日に歌わせていただけることに感謝している」と語っている。
茅野市出身の朝倉さんは東京芸術大学、同大学院に進んだ。学生時代に音楽塾の1期生となり、モーツァルトの「フィガロの結婚」など数多くのオペラに出演。その後、留学したオーストリアのウィーン国立音楽大学で、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めていた小澤さんと再会。「音楽塾の出身だと知ると小澤先生は大変喜んで、温かい言葉をかけてくださった。異国の地でどれほど励まされたか分からない」と振り返る。
30日、31日にキッセイ文化ホールで開くコンサートは、マーラーの交響曲第2番「復活」を演奏。ドイツ語の合唱をプロの合唱団と、市民から公募したOMF合唱団が担う。ドイツ語は日本語にはない母音があり、発音が難しい。合唱団を指導した県合唱連盟理事長の中村雅夫さん=松川村=は「現地に留学経験があり、声楽家である朝倉さんがいてくれて心強かった」と感謝する。朝倉さんは「(団員が)歌詞の一語一句に向き合い、熱心に練習に取り組んでいた。胸を打たれた」と話し、本番に向け「小澤先生の思いが未来へと紡がれていくよう歌いたい」と意気込んでいる。
