伝統芸能継承へ再出発 なぎそ木曽踊りの会 新名称 全町的な組織に
2025/08/27
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南木曽町の住民でつくる「妻籠木曽踊りの会」は、今夏から「なぎそ木曽踊りの会」に名称を改めて再出発した。今までは吾妻の妻籠地区の住民が中心だったが、会員の減少が進む中で全町的な組織として活動し、伝統芸能を継承していく。8月には2回、妻籠宿で住民や観光客も自由に参加できる踊りの場を設け、一緒に輪をつくった。
同会は妻籠を拠点に20年近く活動し、木曽踊りの披露や地域の小学生への指導をしてきた。夏には妻籠宿で他の地元団体らと芸能披露をしていたが、新型コロナウイルス禍の影響で流れが途切れていた。
以前のような披露の場を復活させていこうと、8月8日と22日の夜、「木曽踊りの夕べ」と題した体験会を宿場内の無料休憩所・ふれあい館で開いた。会員が動きを説明し、踊りの際に歌う民謡・木曽節の歌詞の意味も伝えた。地元住民や宿場に泊まる国内外の観光客らが参加し、会員らの伸びやかな歌声に合わせて踊りの輪に加わったり、写真や動画を撮ったりして楽しんだ。
同会代表の伊藤正博さん(72)は「伝統に触れる体験を楽しんでもらい、思い出に残れば。継承のため裾野を広げることが大事」と話す。現在の会員は4人。「昔の人たちが伝えてきたものを絶やしたくない。次の世代へ伝えられるよう、あらためて活動していきたい」と力を込めた。
妻籠宿での体験会は今後も開催を検討している。




