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2025年

三宅島噴火災害と復興の記憶絵本に 島﨑絵理さん(塩尻出身)が挿絵描く

2025/08/26
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 塩尻市出身で武蔵野美術大学を卒業した島﨑(旧姓・小林)絵理さん(49)=兵庫県=が挿絵を描いた絵本『迷子椎―三宅島大噴火―』が、26日に発行される。東京都の三宅島・雄山の噴火と復興に励む島民の物語だ。今月、市内の小中学校・義務教育学校計14校や市立図書館に1冊ずつ贈られた。

島﨑さんが挿し絵を描いた絵本
島﨑さんが挿し絵を描いた絵本

 ボランティア団体「『防災一人語り』絵本・童話シリーズ制作グループ」(東京都)が制作した。物語は、三宅島の女の子が、迷子になった時は大きなシイの木を目印にして集まることを祖父に教わる様子や、雄山が噴火して島外に一時避難するが、島に帰って家族や島民と希望を持って生きる様子が描かれている。架空の話だが、雄山が平成12(2000)年に噴火した日時や、避難指示が解除された日は事実を記した。
 挿し絵は水彩絵の具で温かみのあるタッチで描かれている。噴火後の場面の絵は、島﨑さんが中学生の時に校外学習で行った浅間山の噴火の溶岩跡「鬼押出し」の風景を思い出して描いた。「長野県に海はないが雄大な山が広がる。自然災害のことを絵本を見て感じてもらえたら」と願う。同制作グループ代表で、元東京消防庁消防署長の加藤雅さん(72)は「自然災害に向き合う地元の人の郷土愛や自然愛、家族愛は、どの地域の皆さんにも共通する」と話している。
 日本語と英語の併記で、B5判、38ページ。非売品だが、同グループのホームページで閲覧できる。

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