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2025年

高校生が戦争と平和の探究発表 「わだつみのこえ80年の会」が松本で集い

2025/08/24
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 中信地区の高校教員や高校生らでつくる「わだつみのこえ80年の会」(塩野英雄代表)は23日、松本市蟻ケ崎3の深志教育会館で「わだつみのこえ戦後80年の集い」を開いた。太平洋戦争中に特攻死した池田町出身の上原良司(1922~45)をきっかけに戦争と平和について学んできた活動成果を高校生が披露し、市民ら約100人が耳を傾けた。
 松本第一、松本深志、松本県ケ丘の3校が発表した。深志の2年生3人は、若い世代に伝えることを目標に活動。太平洋戦争やロシアによるウクライナ侵攻などの原因や概要を動画にまとめ「戦争のきっかけには共通点がある。それを知っていても繰り返されるのはなぜか、考えてもらえれば」と投げ掛けた。
 第一は身近な戦跡や戦争加害国としての日本の側面について、県ケ丘は個人の探究成果や、相手の立場で主観的に考える「エンパシープロジェクト」について紹介した。
 続くシンポジウムでは生徒や教員、基調講演した戦跡カメラマン・安島太佳由さんらが登壇。生徒は「考えの違いから戦争が始まる。相手の気持ちを理解することが大事」「活動を通じ戦争について考えるきっかけが広がれば」などと話していた。
 会は2年ほど前から準備し、戦争と平和について考え、次世代へ継承する目的で活動してきた。発表した深志の2年生・中澤千明さん(17)は「他校の生徒の意見に触れて探究が充実した。若い世代として今後も発信していきたい」と話していた。塩野代表は「高校生が自分の思いを意欲的に発言してくれたことがうれしい。今後もつないでいく活動にできるかどうかが勝負となる」と力を込めた。

探究活動の成果を発表する高校生
探究活動の成果を発表する高校生

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