お試し住宅 塩尻・楢川で運用開始 旧教職員住宅を活用 しおじり街元気カンパニー
2025/08/23
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塩尻市内で空き家再生事業を手掛ける市の第三セクター・しおじり街元気カンパニー(街カン)は23日、楢川地区で、旧教職員住宅を活用した「お試し住宅」の運用を始める。移住希望や、都市と地方の両方に生活拠点を置く「二地域居住」に興味を持つ人が対象だ。短期滞在(最長2カ月)のお試し住宅としては、北小野に続き2例目。
旧教職員住宅(2棟)は奈良井にあり、昭和63(1988)年3月建築で、木造2階建て延べ床90平方メートル。玄関が二つある複層住宅だ。お試し住宅としては1棟のうち縦半分(1、2階)の45平方メートルを改修し貸し出す。1階に台所、風呂、トイレがあり、2階には2部屋(計9畳)がある。
建物は本年度に市から無償譲渡を受けた、地権者の平沢区自治協議会が所有する。賃借する街カンが約330万円かけ風呂やボイラー設備、屋根を改修、冷蔵庫や洗濯機など生活必需品を備えた。国の二地域居住等促進事業補助金100万円を活用した。旧教員住宅は10年以上使われず、周辺には賃貸住宅もない状況で、地元も利活用を模索していたという。
23日から1カ月と1週間は、県外から楢川小中学校へ区域外就学(国内短期留学)する児童の家庭が利用する。
お試し住宅は、令和3年11月に運用を始めた北小野の利用が堅調だ。6カ月先までの予約が埋まり、年に1、2組が移住している。本年度は4~6月に10件30人が利用し、稼働率82%。街カンの藤森茂樹社長は「需要はかなりある」と話す。
二地域居住については県が2月、事業を進める「重点地区」として、塩尻市の楢川、北小野、大門の3カ所を指定。全国初の指定で、二地域居住用住宅として、街カンが大門八番町の2階建てビルの部分改修を進めている。