さらば元町のガスタンク 役割を終えて解体へ 松本
2025/08/23
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松本市元町3にあり、目に付く丸い姿で地域のシンボルになってきた都市ガス用の球形タンク・ガスホルダーが近く解体される。女鳥羽川と市道(やまびこ道路)の間に立地し、景観の一部になってきた。都市ガスの高熱量化とガスを送る導管網の整備が進み、役割を終えた。解体に使う足場を組む工事が進んでいる。
松本ガス(松本市渚2)の元町整圧所に球形ガスホルダーがある。昭和45(1970)年に都市ガスの安定供給のため設置された。市北東部の拠点の一つで、使用量が増える時間帯や災害時に備えて都市ガスをためておく役割を果たした。容量は約5000立方メートル、直径約20メートルあり、12本の柱で支える。
球体の上部から解体に着手し、鋼板を切断して搬出する。工期は12月20日までの予定。松本ガスには元町のほか、渚と南松本に球形ガスホルダーがあり、三つの中で元町の施設が最も古い。
松本ガス供給課の村山輝美課長(50)は「地元の方々には長年、施設の運用に協力いただき感謝している。解体作業を安全に進めたい」と話した。
球形ガスホルダーは、ガスタンクと呼ばれて親しまれてきた。周囲の高台に登れば、丸い姿を見つけることができた。元町上町会の町会長・原田武邦さん(81)は「道案内する時に使った。タンクが目印になった」と惜しみ、町の変化を受け止めていた。
