坂北・仁熊大日堂の大モミ、惜しまれ伐採
2025/08/21
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筑北村坂北の仁熊大日堂で20日、境内に生える大モミが伐採された。樹齢約800年と伝わる地域のシンボルだが、「倒木の恐れがある」と村が緊急危険木として対応した。幹や枝が徐々に解体される様子をじっと見守る住民の姿も見られた。
クレーン車などを使い、専門業者が伐採を担った。周囲の重い枝を落とし、高さ約9メートル、幹周り約5・2メートルの巨木を上部から少しずつ切り落としていき、高さ50センチほどの切り株にした。幹は中心部がほぼ空洞でもろくなっており、業者が木に登ると左右に激しく揺れ動いた。
仁熊大日堂を管理する岩殿寺(別所)の総代と仁熊区が18日に魂抜きの法要を営み、地域住民ら40人以上が別れを惜しんだ。伐採までの間にも村内外から多くの人が参拝したといい、仁熊区の吉澤敬夫区長(72)は「心情としては残念だがやむを得ない。今後は切り株から往時をしのんでほしい」と話していた。
大モミはかつて県天然記念物に指定されていた。