MTBパーツ、安曇野で開発 部品加工のTRYNOW

試作・部品加工などの合同会社TRYNOW(トライノ、安曇野市豊科)が、マウンテンバイク(MTB)用のオリジナル部品の開発を進めている。海外製の自転車部品が主流を占める中、自動車や航空宇宙関連の部品加工で培った技術を活用し、「メードイン安曇野」で地域に貢献しようと考えている。

代表社員の丸山裕さんと森田健一さんが取り組み、市マウンテンバイクコースを指定管理するMSJ(小林可奈子代表)と連携している。ペダルとヘッドパーツを試作中で、販売に向けては「年内にはある程度形にできたら」としている。
今年が市制施行20周年の節目で、来年7月には同コースで全日本自転車競技選手権大会MTB競技が行われる時機を捉えた。
試作品は赤や青など5色あり、▽タマネギ▽ワサビ▽リンゴ▽アヤメ▽蚕の繭―と、安曇野市を代表する産品のイメージ色を取り入れた。田園地帯を連想させる格子模様も特徴だ。小林代表は「高級感がある。乗って楽しい見て楽しいおしゃれなパーツ」と出来栄えをたたえていた。
試作ペダルには足裏の滑り止めとして樹脂製のピンが付属している。安全性やけがの低減を考慮して樹脂を採用した。機械構造部品に使われているピンを応用している。市販のピンは金属製で「今の選択肢は付けるか取るかしかない」(小林代表)という。小さなピンにも独自性や技術力を発揮している。
7月に東京都で開かれた世界最大級の製造業の展示会「ものづくりワールド東京」で展示したところ、「買いたい」という人が何人もいたという。
研究開発に当たっては地元の旋盤加工会社など地域の企業とも連携している。丸山さんは「MTB聖地の安曇野に貢献したい」と語る。森田さんは「よそにない、しっかりとしたストーリーがある物を作れば安曇野を宣伝できる。海外に安曇野の魅力を伝えていけたら」と見据える。