木曽町三岳の「弘法堂」未来へ継承 明治時代に建立、保存会が再建へCF
2025/08/13
後で読む
木曽町三岳の「弘法堂」を継承しようと活動する住民有志らによる黒沢口弘法堂保存会は、お堂の再建に向けたクラウドファンディング(CF)を9月30日まで実施している。現在の建物は損壊が激しく、新たに造るなどして「祈りの場を未来へとつなぐ」ことを目指す。

お堂は御嶽山黒沢口5合目の県道上松御岳線沿いに立ち、保存会の事務局長を務める松本市出身の民俗学者・市東真一さん(32)=埼玉県宮代町=によると明治時代ころに建立された。近年は管理者の不在で荒れ、天井も崩れるなどしていた。
CFを活用し、コンテナを使ったお堂を建てて寺院様式の内装を施す。堂内にあった県内最大級という弘法大師(空海)の木造座像も損壊が激しく、修繕する。座像は現在、仏像に宿る魂を抜く儀式を経て、近くに設けられたコンテナの仮のお堂に移されている。
御嶽山は空海が修行した伝説などがある。保存会長で、お堂の近くで日の出滝旅館を長年営む森本一美さん(76)は「御嶽信仰でお参りに来る人にも弘法堂は昔から大事にされてきた。引き継いでいきたい」と話した。市東さんは「御嶽山を訪れる人の安全や地域の平穏を願う場を守るため、お力添えを」と協力を呼び掛ける。
CFは専用サイト・レディーフォーで受け付ける。申込書を出した上で振り込みも可能。返礼品には「木曽応援団長」としても活動する漫画家・鈴木ともこさんの限定イラストを使ったサコッシュや御嶽山の砂のお守り、滝行体験などを準備する。目標額は200万円。問い合わせは保存会(電話080・2050・8360)へ。