猛暑を乗り切る食べ物は? 松本市民に聞いた 欠食せず旬の物取ろう
暑い。熱中症警戒アラートが連日発表され、最高気温が35度を超える猛暑日も続き、記者自身、ここまで暑いとなかなか食欲が湧かず、食事もおざなりになる日がある。この厳しい暑さの中、周りの人はどのような食事をしているのか気になり、日々回っている取材先で聞いてみた。
まず、野外活動が多い陸上自衛隊松本駐屯地(松本市高宮西)を訪ねた。お昼時に食堂に案内されると、隊員は大盛りのほうれん草チーズカレーに、「自家製」の梅をご飯の上に載せておいしそうに食べていた。第306施設隊で3等陸曹の小林優斗さん(27)は「梅は一日の活力を付けるため朝に必ず食べている。今年の梅もいい出来で、塩分補給になる」と話した。駐屯地の食事を取り仕切る糧食班長や、管理栄養士によると、1回の食事の量が多く、摂取する栄養は足りているため、食欲が落ちないように夏は冷たい麺類のメニューを増やし、デザートを少し多めにしているという。
続いて、松本広域消防局で消防士の50代男性に聞いた。「暑いときに採れる物を暑いときに食べるといいと聞いたことがあるので、夏野菜を食べるようにしている」と言い、「スイカを何玉も食べる。水分とミネラルが取れるし、切って容器に入れておけば子どもたちも食べやすい」と語った。
健康講座や、人づてに聞いたことを意識し、食べている人もいた。松本市の団体職員の50代男性は「冷たい物ばかりだと消化が悪くなるので、熱い物をあえて食べるようにしている」とこだわりを紹介してくれた。子育て中の同市高宮中の40代女性は「子どもがご飯だとあまり食べないので、麺類をよく作る。酸っぱい物も出すようにしている」と話した。
栄養素を気にしている人も。同市今井・公園西町会の元公民館長・佐藤弘昌さん(72)は「60代からは食べ過ぎると食欲が落ちてしまうので、食べ過ぎないようにしている」。加齢で心身機能が低下した状態「フレイル」にならないように「糖質は控え、肉などタンパク質を1日100グラムほど取っている」と話した。同市野溝西2の米農家・窪田好昭さん(69)は「食事は一汁一菜が多い。仕事ではミネラルが取れる麦茶で水分補給をしている」と教えてくれた。
一方、今井小学校6年生の宮木彩愛さん(11)は「アイスをよく食べる。暑いから冷たい物を食べる」と率直な声を寄せた。
夏の食事について、同市の管理栄養士・沖本玲子さんに聞いた。食欲がなくても3食食べることが大切とし、「主食・主菜・副菜をそろえるのが理想だが、乳製品や果物など口当たりのいい物を少しだけでも食べ、主食だけに偏らないことも大事」と話した。飲み物も飲み過ぎると、満腹感で食欲低下の原因になるとし、「水分を多く含む夏野菜などを上手に取り入れ、ご飯をおいしく食べられるのがいい」。アイスは食事後のデザートとして食べるのが良いそうだ。
みんな、体のことをよく考えて食べているんだなあと感じた。これからはもっと意識して栄養のある物を食べ、夏を乗り切ろう。




