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2025年

清水寺舞台に人形劇披露 山形の有志が12日の初公演へ熱意注ぐ

2025/08/09
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 山形村の有志らが「西山の人形劇部」を結成し、12日に同村清水高原の清水寺で人形劇「注文の多い料理店」(原作・宮沢賢治)を初披露する。小学生からシニアまで幅広い世代が集って創作に向き合い、できることを生かして人形や大道具も手作りで準備した。大半が未経験のメンバーで、プロの劇作家で演出家・加藤直さん(82)=東京都=の指導を受け、練習を重ねている。

初公演に向け練習に熱が入る人形劇部のメンバーたち
初公演に向け練習に熱が入る人形劇部のメンバーたち

 6人が人形を操り、4人が音楽隊としてアルパやクラリネットなどを奏でて盛り上げる。
 高原麓の同村小坂で「まるます喫茶」を営む増塩理沙さん(41)が企画の中心になり4月に始動した。最初は喫茶で開く多世代交流企画「まるますころりん会」の人形劇ワークショップとしてスタート。増塩さんが所属するアマチュア劇団「マツモト・ザザ座」の座付演出家の加藤さんに指導や演出を頼んだ。活動するうちにメンバーや加藤さんに熱が入り、試演会として初公演を行うことになった。演目は幅広い世代に親しまれ、高原の雰囲気に合う作品を選んだ。
 さまざまな人が関わることでエネルギーやアイデアが生まれ、メンバーは「シリーズ化したい」「次の作品もやりたい」と意欲的だ。演劇経験がある吉村風歌さん(23)=下竹田=は「人形劇部の空間がすごく楽しい」と話す。
 午前11時と午後7時の全2公演は満席になっており、親子で出演する古畑美どりさん(50)=上竹田=は「わくわくする」と胸を躍らせ「お客さんにもわくわくしながら楽しんでほしい」と願う。
 加藤さんは「デジタル化で人と人の生の出会いや関わりが少ない今、地方の山の中で人と人がつながる『劇場』を手作りしていることに感動している」と話している。
 山形村清水高原の清水寺で12~14日の午後6~8時、境内のライトアップが行われる。“夏のライトアップ大作戦”と題し、約500個のLED(発光ダイオード)キャンドルを参道や本堂前に並べる。村の子供たちの協力で、山形小学校3年生が描いたイラストをキャンドルの周りに飾る。村公民館講座の参加者が制作したランタンも展示する。
 境内の文化交流施設「あららぎの庄」では13、14日の午後1~7時、清水高原在住の平野珠惠さんが制作した日本刺しゅう作品の展示が行われる。

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